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東欧の想像力7 |
ペインティッド・バード |
イェジー・コシンスキ[著]/西成彦[訳] |
2009年10月9日発行 |
定価:1900円+税 |
四六判・ハードカバー・312ページ |
ISBN:978-4-87984-260-2 C0397 |
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内容紹介
第二次世界大戦下、親元から疎開させられた6歳の男の子が、養い手を失い、東欧の僻地をひとりでさまようことを余儀なくされる。少年は、ユダヤ人あるいはジプシーと見なされ、地域住民から強烈な迫害を受け、また、ドイツ軍の目を逃れながら、生き延びていく。危機を何度もくぐり抜けながら、少年がおのれの目で見、またその身で経験した、暴力、虐待、性的倒錯の数々が、グロテスクなまでに展開されていく……
『ペインティッド・バード』が発表されたアメリカ合衆国では、1980年代後半以降、この作品について、ゴーストライター疑惑や盗作疑惑がもちあがった。また、主人公の少年がたどった経験と作家の伝記的事実との相違などでも物議をかもしている。その一方で、現在に至るまで、ロングセラーの地位を保っている。
※作者コシンスキによる「後記」(1976年)を巻末に収録。
著者・訳者紹介
イェジー・コシンスキ Jerzy Kosinski, (1933-1991)
1933年、ポーランドの工業都市ウッチに、ロシア系亡命ユダヤ人の両親のもとに生まれる。第二次大戦勃発後、ユダヤ人であることを連想させない名前であるイェジー・コシンスキを名乗り、またカトリックの洗礼を受けることで、ナチスの迫害を逃れた。
ウッチ大学卒業後、ワルシャワのポーランド科学アカデミーの研究員となるが、1957年、アメリカに亡命。コロンビア大学で学びつつ、ジョゼフ・ノヴァク名義で2冊のノンフィクションを発表。
1965年、『ペインティッド・バード』(原題The Painted Bird、作者の母語であったポーランド語でなく、英語で発表。以降の小説も同様)を刊行し、センセーションを巻き起こす。次作の『異境』(原題Steps、1968)では、全米図書賞を受賞。
亡命後数年でベストセラーを発表し、合衆国PENクラブ会長を務めるなどの名声の陰で、ゴーストライター疑惑、シャロン・テート事件とのかかわりやCIAとの接触疑惑など、毀誉褒貶の振幅が大きい作家であった。
1991年、自宅の浴室内で大量の睡眠薬を飲み、ポリ袋をかぶって自殺するという、センセーショナルな死を遂げた。
西 成彦
立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。専攻は比較文学、ポーランド文学。
著書に、『ラフカディオ・ハーンの耳』(岩波書店、1993)、『イディッシュ 移動文学論T』(作品社、1995)、『森のゲリラ 宮沢賢治』(岩波書店、1997)、『耳の悦楽 ラフカディオ・ハーンと女たち』(紀伊國屋書店、2004、芸術選奨文部科学大臣賞新人賞受賞)、『ターミナルライフ』(作品社、近刊)など。
訳書に、ゴンブローヴィッチ『トランス=アトランティック』(国書刊行会、2004)など。
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