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地下 ある逃亡
トーマス・ベルンハルト 著
今井敦 訳
2020年9月27日
定価:1,700円+税
四六判・ソフトカバー・160ページ
ISBN:978-4-87984-394-4
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内容紹介

  20世紀後半のドイツ語圏文学を代表する作家トーマス・ベルンハルト、その全作品をとく鍵と言われる自伝五部作の第二作。
  前作『原因』で描かれていたように、エリート養成校であるギムナジウムに通っていたベルンハルトは、ある朝登校を取りやめ、そのまま学校を中退、今まで歩んできた人生とは全く違う方向へ踏み出す。彼が向かった先は、貧困層が集住し、市民たちからこの世の「地獄」と恐れられていた地域。そこにある地下食料品店で働き出したベルンハルト少年が、目にし、経験することになるものとは――


著者・訳者紹介

トーマス・ベルンハルト(Thomas Bernhard, 1931-1989)
  20世紀オーストリアを代表する作家のひとり。少年時代に、無名の作家であった祖父から決定的感化を受ける。
  音楽と演劇学を修めつつ創作をはじめ、1963年に発表した『凍(いて)』によってオーストリア国家賞を受賞。一躍文名を高める一方で、オーストリアへの挑発的言辞ゆえに衆目を集めた。以後、『石灰工場』『古典絵画の巨匠たち』『消去』『座長ブルスコン』などの小説・劇作を数多く発表。1988年に初演された劇作『英雄広場(ヘルデンプラッツ)』でオーストリアのナチス性を弾劾するなど、その攻撃的姿勢は晩年までゆるがなかった。
  1975年に発表された『原因』のあと、本書『地下』、『息』、『寒さ』、『ある子供』が続けて刊行され、自伝的五部作をなした。
  1989年、58歳で病死。


今井敦(イマイ アツシ)
  1965年生まれ。中央大学文学部卒業、中央大学大学院文学研究科単位取得満期退学。1996年から2000年にかけてオーストリアのインスブルック大学に留学、同大学にて哲学博士(Dr. Phil.)取得。
  現在、龍谷大学経済学部教授。
  専攻は現代ドイツ文学。
  著書に『三つのチロル』、訳書にトーマス・ベルンハルト『ある子供』『原因』、ハインリヒ・マン『ウンラート教授』、ヨーゼフ・ツォーデラー『手を洗うときの幸福・他一編』がある。


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