|
多様な性の視点でつくる学校教育―セクシュアリティによる差別をなくすための学びへ |
眞野豊 著 |
|
定価:本体2600円+税 |
ISBN:978-4-87984-397-5 |
2020年11月25日発売 |
内容紹介
子どもたちに性の多様性をどう教え、教職員の意識をどう変えるのか。そして、教員のカミングアウトは学校に何をもたらしたのか。同性愛当事者が教員として取り組んだ、性差別をしないことを学校でまなぶための理論と実践。
【本書の目次】
序章 学校での記憶―教室を支配するジェンダー規範と異性愛規範
1 主語の喪失―「オレ」が言えない
2 同性愛への気づきとクローゼットの出現
3 逃げ場のない教室―拘束され操られる身体と心
4 未来の喪失と獲得―電話相談でのカミングアウト
第1章 性の多様性と人権
1 SOGIEとは何か
2 SOGIEを理由とした差別
第2章 ジェンダー・セクシュアリティと教育に関する理論
1 隠れたカリキュラムとセクシズム
2 ジェンダーの再生産装置としての学校
3 ジェンダー・セクシュアリティに関する理論
4 同性愛嫌悪と異性愛至上主義
第3章 学校は性の多様性をどう教えてきたか
1 教材・教育課程の中の同性愛嫌悪
2 多様な性に関する教員の意識
第4章 性的マイノリティへの「支援」
1 性的マイノリティの子どもの可視化と「個別的な支援」
2 「個別的支援」の事例から見える課題
3 性的マイノリティの子どもが直面する困難と支援のあり方
第5章 人権同和教育と性の多様性の交叉
1 人権同和教育担当教員への聞き取り調査
2 人権同和教育の経験は、性の多様性にどうつながりうるか
3 考察―人権同和教育と性の多様性の交叉性
第6章 性の多様性をめぐる諸外国の教育
1 海外の教育実践から学ぶ二つの教育アプローチ
2 ドイツ・ハイデルベルク自由学校
3 考察―性の多様性と教育をめぐる分離と統合
第7章 性の多様性とカリキュラム
1 カリキュラムと中立性
2 学習指導要領と性の多様性
3 性の多様性を前提とした学習指導要領の提案
第8章 性の多様性をどう教えるのか
1 性の多様性と教育学の交叉
2 性の多様性を教える授業
3 成果と課題
第9章 教職員の意識を変える研修
1 性の多様性に関する教職員研修の要請
2 性の多様性に関する教職員研修
3 成果と課題
第10章 LGBT教育の手引書ができるまで
1 調査の概要
2 調査結果
3 結論―手引書ができたのはなぜか
4 課題―多様な語りの把握と分析
第11章 教員のカミングアウトは何を変えたか
1 学校でのカミングアウト
2 保護者たちはどう受け止めたか
終章 多様な性の視点でつくる教育へ向けて
あとがき
文献一覧
著者紹介
眞野豊(まの・ゆたか)
1981年北海道生まれ。九州大学大学院地球社会統合科学府博士後期課程修了、博士(学術)。日本学術振興会特別研究員PD(広島修道大学)。専門は、教育社会学、ジェンダー、セクシュアリティ。論文に「多様な性(生)の選択をめぐる不可能性―Aさんは、なぜ「性別再変更」をしたのか」(『解放社会学研究』第33号、2020年)など。翻訳書に『王さまと王さま』(共訳、ポット出版)、『ランスとロットのさがしもの』(共訳、ポット出版)がある。
ご購入方法
全国の大型書店さん中心に、販売していただいております。
各オンライン書店へは版元ドットコムからどうぞ
→版元ドットコム