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息 一つの決断 |
トーマス・ベルンハルト 著 |
今井敦 訳 |
2023年4月30日 |
定価:1,700円+税 |
四六判・ソフトカバー・144ページ |
ISBN:978-4-87984-432-3 |
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内容紹介
20世紀後半のドイツ語圏文学を代表する作家トーマス・ベルンハルト、その全作品をとく鍵と言われる自伝五部作の第三作。
前作『地下』で、仕事と音楽というふたつの展望を手に入れたかに見えた主人公。しかし時をおかず病が彼に襲いかかる。さらに最良の理解者だった祖父が他界、そして母にも病の影が……自身と、そして家族のもとに現れた「死」を前にして、ベルンハルトは何を見出したのか。
著者・訳者紹介
トーマス・ベルンハルト(Thomas Bernhard, 1931-1989)
20世紀オーストリアを代表する作家のひとり。少年時代に、無名の作家であった祖父から決定的感化を受ける。
音楽と演劇学を修めつつ創作をはじめ、1963年に発表した『凍(いて)』によってオーストリア国家賞を受賞。一躍文名を高める一方で、オーストリアへの挑発的言辞ゆえに衆目を集めた。以後、『石灰工場』『古典絵画の巨匠たち』『消去』『座長ブルスコン』などの小説・劇作を数多く発表。1988年に初演された劇作『英雄広場(ヘルデンプラッツ)』でオーストリアのナチス性を弾劾するなど、その攻撃的姿勢は晩年までゆるがなかった。
1975年に発表された『原因』のあと、『地下』、本書『息』、『寒さ』、『ある子供』が続けて刊行され、自伝的五部作をなした。
1989年、58歳で病死。
今井敦(イマイ アツシ)
1965年生まれ。中央大学文学部卒業、中央大学大学院文学研究科単位取得満期退学。1996年から2000年にかけてオーストリアのインスブルック大学に留学、同大学にて哲学博士(Dr. Phil.)取得。
現在、龍谷大学経済学部教授。
専攻は現代ドイツ文学。
著書に『三つのチロル』、訳書にトーマス・ベルンハルト『ある子供』『原因』『地下』、ハインリヒ・マン『ウンラート教授』、ヨーゼフ・ツォーデラー『手を洗うときの幸福・他一編』がある。
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関連書
東欧の想像力
『ある子供』
『原因』
『地下』