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視る民、読む民、裁く民―ロマン主義時代におけるもうひとつのフォルク |
須藤秀平 著 |
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定価:本体3800円+税 |
ISBN:978-4-87984-375-3 |
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内容紹介
クライスト、ゲレス、アイヒェンドルフを読み解き、ロマン主義による理想的な民族・民衆とは異なる〈もうひとつのフォルク〉を考察する
【本書の目次】
序章 フォルク概念の変容とその問題
1 本書の目的
2 「はざま期」とフォルク概念の変容
3 ドイツとフランス、二つの国民概念
4 ナチズムの源流としての「ロマン主義」
5 対象の選択―「受容」を重視した「ロマン主義者」たち
6 本書の視座―群衆、読者、審判者
7 本書の構成
第1章 下層民から〈裁く〉群衆へ―クライスト『チリの地震』における偶然性と匿名の声
1 必然性への懐疑をめぐって
2 身分制と革命―クライストの自己意識
3 「フォルク」という名の群衆
4 「偶然の糸」と匿名の声
第2章 国家なき国民戦争―クライスト『ヘルマンの戦い』における国民と自由
1 クライストはプロパガンダ作家か
2 戦う目的の不一致―自由観の差異
3 不可解なナショナリズム
4 ヘルマンの「戦い」
5 国民と自由の行方
第3章 ジャーナリズムと民衆―初期ゲレスの政治新聞と文芸共和国
1 「フォルク」のための新聞
2 思想的背景―市民階級、啓蒙主義、革命
3 ラインラントの葛藤
4 ゲレスの「共和国」構想
5 「民衆なし」の共和主義とジャーナリズム
第4章 本を持つ民―ゲレス『ドイツ民衆本』における受容の機能
1 民衆と文学
2 民衆は書物に触れることができたのか
3 ロマン主義の民衆文学観とゲレス『ドイツ民衆本』
4 「民衆文学」の定義をめぐって
5 「多数者と時間の試練」―ゲレスにおける「民衆本」の意味
6 「家」としての「民衆本」と文芸共和国
第5章 アイヒェンドルフと「主観」の文学―歴史叙述における詩人の役割
1 アイヒェンドルフは民衆作家なのか
2 主観性批判とその意味
3 読書の意味をめぐって―アイヒェンドルフの自己意識と民衆
4 『予感と現在』における理想の詩人と民衆
5 変転する世界を前にして―歴史叙述と詩人の役割
第6章 1830年代のドイツ像―中期アイヒェンドルフにおける解放戦争と民衆
1 1830年代と「様々な歴史観」
2 1830年代の政治的状況
3 アイヒェンドルフの政治論文とドイツ像
4 風刺小説『空騒ぎ』(1832年)
5 長編小説『詩人とその仲間たち』(1834年)
終章 視る、読む、裁く「フォルク」の遠心力
註
あとがき
参考文献
著者紹介
須藤秀平(すとう・しゅうへい)
1987年山形県酒田市生まれ。2014年京都大学大学院人間・環境学研究科研究指導認定退学。京都大学博士(人間・環境学)。日本学術振興会特別研究員、京都府立大学文学部共同研究員を経て、2019年4月より福岡大学人文学部講師。
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