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幻想の坩堝(るつぼ)
ベルギー・フランス語幻想短編集
岩本和子・三田順 編訳
岡本夢子・小林亜美・松下和美・村松定史 訳
定価:1800円+税
ISBN:978-4-87984-352-4
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内容紹介

  ベルギーという国のことは、日本ではあまり知られていないかもしれません。ヨーロッパの縮図と言われ、EUの本部が置かれている国。三つの公用語があり、ゲルマンとラテンの文化が拮抗する国。チョコとビールの国、「フランダースの犬」の舞台……
  そしてなによりもベルギーは、数多くの幻想文学作家を輩出してきた国でもあります。今回、そうしたベルギーの作家たちの作品集を編んでみました。
  『青い鳥』で有名なモーリス・マーテルランクや『死都ブリュージュ』のジョルジュ・ローデンバック、邦訳も多くあるトーマス・オーウェンやジャン・レー、ミシェル・ド・ゲルドロード、さらにはこれまでなかなか邦訳紹介されてこなかったエドモン・ピカール、フランス・エレンス、マルセル・ティリーといった作家の作品を収録しています。
  巻頭には、アンソロジスト・東雅夫さんによる序「ベルギーの魔に魅せられて」を収載。蠱惑に満ちた幽暗の文学世界へ、読者のみなさんを誘います。


【本書収録作品】
夢の研究  (モーリス・マーテルランク/岩本和子訳)
時計  (ジョルジュ・ローデンバック/村松定史訳)
陪審員  (エドモン・ピカール/松下和美訳)
分身  (フランス・エレンス/三田順訳)
エスコリアル  (ミシェル・ド・ゲルドロード/小林亜美訳)
魔術  (ミシェル・ド・ゲルドロード/小林亜美訳)
不起訴  (トーマス・オーウェン/岡本夢子訳)
夜の主  (ジャン・レー/三田順訳)
劇中劇  (マルセル・ティリー/岩本和子訳)


  各作品を少しずつお読みいただける見本版PDFをご用意いたしました→こちらからご覧下さい。


編者・訳者・執筆者紹介

岩本和子(いわもと・かずこ)
  ※編者、「夢の研究」「劇中劇」翻訳
  神戸大学大学院国際文化学研究科教授。
  専攻はフランス語圏文学・芸術文化論(ベルギーのフランス語文学、スタンダール研究)。博士(文学)。   著書に『周縁の文学─ベルギーのフランス語文学にみるナショナリズムの変遷』(松籟社)、『スタンダールと妹ポーリーヌ─作家への道』(青山社)、『ベルギーとは何か─アイデンティティの多層性』(共編著、松籟社)など。訳書にデル・リット『スタンダールの生涯』(共訳、法政大学出版局、二〇〇七年)など。


三田順(みた・じゅん)
  ※編者、「分身」「夜の主」翻訳
  北里大学一般教育部講師。博士(学術)。
  専攻は比較文学(ベルギーにおける象徴主義文学、美術)。
  著書に『ベルギーを〈視る〉 テクスト─視覚─聴覚』(編著、松籟社)、『ベルギーとは何か─アイデンティティの多層性』(共著、松籟社)がある。訳書に『フランダースの声─現代ベルギー小説アンソロジー』(共訳、松籟社)等。


村松定史(むらまつ・さだふみ)
  ※「時計」翻訳
  フランス文学者。元名城大学教授。
  著書に『人と思想 モーパッサン』(清水書院)、『旅と文学』(沖積舎)、『ジョルジュ・ローデンバック研究』(弘学社)など。訳書にローデンバック『静寂』『樹』『白い青春』(森開社)、ペヨ『キングスマーフ』『コスモスマーフ』他五巻(小峰書店)など。『デイリー日仏英・仏日英辞典』『身につく仏和・和仏辞典』他(三省堂)を監修。


松下和美(まつした・かずみ)
  ※「陪審員」翻訳
  群馬県立館林美術館学芸員。
  群馬県立近代美術館にて「オディロン・ルドン展」(二〇〇一年)、「アンジェ美術館展」(二〇〇二年)担当。
  『フランソワ・ポンポンの人と作品』(群馬県立館林美術館、二〇〇八年)執筆・編集。


小林亜美(こばやし・あみ)
  ※「エスコリアル」「魔術」翻訳
  京都女子大学文学部外国語準学科講師。博士(文学)。
  主な研究業績に、「スタンダールとシュネッツ 「1824年のサロン」における「偉大なる画家」」(『EBOK』、神戸大学仏語仏文学研究会、二〇一六)、「スタンダールの小説における絵画的引用と人物描写の問題─ 『リュシアン・ルーヴェン』と『パルムの僧院』を中心に」(『フランス語フランス文学研究』、日本フランス語フランス文学会、二〇一一)など。


岡本夢子(おかもと・ゆめこ)
  ※「不起訴」翻訳
  京都大学大学院文学研究科博士後期課程、ベルギー・リエージュ大学博士課程在学中。
  モンマルトルに実在した文学キャバレー「Le Chat Noir」を中心に十九世紀末フランス・ベルギー文学を研究。
  主な研究業績に、「Le Chat Noirにおけるフュミストリーと19世紀末文学の関わり」(『仏文研究』、二〇一三)、「Le Chat Noirにおける総合芸術の具現化 : 影絵劇『聖アントワーヌの誘惑』にみる新しさ」(『関西フランス語フランス文学』、二〇一四)など。


東雅夫(ひがし・まさお)
  ※「序」
  アンソロジスト、文芸評論家。怪談専門誌『幽』編集顧問。
  研究批評誌『幻想文学』の編集長を一九八二年の創刊時より務める(二〇〇三年終刊)。
  著書に日本推理作家協会賞を受賞した『遠野物語と怪談の時代』(角川選書)、編纂書に『世界幻想文学大全』全三巻、『日本幻想文学大全』全三巻(ともにちくま文庫)、『幻想文学講義「幻想文学」インタビュー集成』(国書刊行会)、『幻想と怪奇の英文学』T・U(共編、春風社)など多数。


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関連書

『ベルギーを〈視る〉』


『ベルギーとは何か?』