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通達/謁見
東欧の想像力20
ヴァーツラフ・ハヴェル 著/阿部賢一+豊島美波 訳
2022年1月31日
定価:2,200円+税
四六判・ハードカバー・248ページ
ISBN:978-4-87984-416-3
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内容紹介

  チェコスロヴァキアの民主化運動を牽引し、のちに大統領に就任したヴァーツラフ・ハヴェル。しかし彼の本領は、「言葉の力」を駆使した戯曲の執筆にあった。
  官僚組織に人工言語「プティデペ」が導入される顛末を描いた「通達」、ビール工場を舞台に上司が部下に奇妙な取引をもちかける「謁見」の二編を収め、「力なき者たちの力」を考究したこの特異な作家の、不条理かつユーモラスな作品世界へ誘う戯曲集。



著者・訳者紹介

ヴァーツラフ・ハヴェル(Václav Havel, 1936-2011)
  1936年、プラハ有数の富裕な家庭に生まれる。第二次大戦後にチェコスロヴァキアが社会主義体制になると生家は財産を没収され、ブルジョア家庭の出自のため進路にも掣肘が加えられた。
  兵役終了後にプラハのABC劇場に職を得、演劇の道に入る。のち欄干劇場に移り、「不条理演劇」の表現の多様性を追求する戯曲を執筆した。代表的作品に本書収録の二編のほか「ガーデン・パーティ」「ラルゴ・デゾーラート」などがある。
  「プラハの春」挫折後の「正常化」時代には作品の発表を禁じられ、収監も経験したいっぽうで、体制側に異議申し立てをする「ディシデント」として活動。「ビロード革命」で民主化運動を主導した「市民フォーラム」でも中心的な役割を果たし、のちには大統領に就任している。
  晩年、戯曲「サナトリウム」を執筆していたが、脱稿は叶わず、2011年12月に逝去した。


阿部  賢一(あべ・けんいち)
  東京外国語大学大学院博士後期課程修了、博士(文学)。パリ第IV大学(DEA取得)、カレル大学で学ぶ。
  現在、東京大学大学院人文社会系研究科准教授。専門は、中東欧文学、比較文学。
  主な著書に『複数形のプラハ』(人文書院)、『カレル・タイゲ ポエジーの探求者』(水声社)など。訳書に、ヴァーツラフ・ハヴェル『力なき者たちの力』(人文書院)、ボフミル・フラバル『わたしは英国王に給仕した』(河出書房新社)、同『剃髪式』(松籟社)、パトリク・オウジェドニーク『エウロペアナ』(共訳、白水社、第一回日本翻訳大賞)などがある。


豊島  美波(とよしま・みなみ)
  東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了(現代文芸論)。現在、カレル大学修士課程(哲学部チェコ学科及び演劇学科)在籍。
  2020年度スザンナ・ロート翻訳コンテスト最優秀賞受賞。



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