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生への逃走
エーリカ・マン、クラウス・マン 著
前川玲子 訳
2022年9月2日
定価:4,500円+税
A5判・ハードカバー・584ページ
ISBN:978-4-87984-428-6
在庫ございます


内容紹介

  第二次大戦前夜。ナチスによって表現の自由を奪われ、生命の危機にさらされた多くの知識人・芸術家たちが、異国の地に亡命した。彼ら彼女らの苦悩と奮闘のさまを、同じく亡命を余儀なくされた作家トーマス・マンを父にもち、自らも亡命者となったふたりの姉弟が克明に綴る。


【主要目次】


プロローグ  インタビューを受けて

第一部  ヨーロッパの状況
  第一章  国会議事堂が燃えている
  第二章  警告に耳を傾けて
  第三章  妥協ならず
  第四章  自ら選んだ亡命
  第五章  父の肖像
  第六章  第三帝国における文化
  第七章  反対陣営の側から
  第八章  オーストリアの最期
  第九章  連帯
  第一〇章  死者たち
  第一一章  ヨーロッパでの活動
  第一二章  ヨーロッパに居場所なし

第二部  アメリカの亡命者たち
  第一三章  美術と音楽
  第一四章  プリンストンのドイツ人学生の日記
  第一五章  音楽の夕べ
  第一六章  ハリウッド
  第一七章  本の世界
  第一八章  政治的活動
  第一九章  舞台
  第二〇章  アメリカの友人たち
  第二一章  武器なき闘い

エピローグ

補遺T  共感を抱く国外在住のドイツ人たち
補遺U  アメリカで活動しているドイツの学者


著者・訳者紹介

エーリカ・マン(Erika Mann, 1905-1969)
  女優、作家、ジャーナリスト。ドイツの作家トーマス・マンとカーチァ夫人の長女として、1905年に生まれる。
  演劇を志し、演出家マックス・ラインハルトに師事、俳優として活動する。1933年にカバレット「胡椒挽き座」を立ち上げ、ナチス風刺を主とした公演活動でヨーロッパ各地を巡業した。
  ヒトラーの政権掌握後はスイスに亡命、のちアメリカに移住し、父トーマスや弟クラウスらとともに、主に講演や執筆活動を通して反ナチスの立場を鮮明にする。第二次大戦中はロンドンを拠点にジャーナリストとして活動した。大戦後にはニュルンベルク裁判を傍聴、報道している。
  1952年に両親とともにアメリカを離れ、スイスに移住。1969年、チューリヒにて死去。
  著書にナチズム下の学校を批判した『野蛮人の学校』(1938)や『トーマス・マンの晩年』(1956)などがある。


クラウス・マン(Klaus Mann, 1906-1949)
  小説家、評論家、雑誌編集者。トーマス・マンとカーチァ夫人の長男として、1906年に生まれる。
  十代後半から短編小説を執筆、劇評もものした。創作と並行して姉エーリカとともに演劇活動を行い、「胡椒挽き座」にも参加。
  ナチスの権力掌握後は国外へ脱出、オランダで文芸誌『ザムルング(結集)』を編集し、亡命ドイツ作家たちに作品発表の場を提供するとともに、英米仏ほか諸国の作家たちの作品を掲載した。のちアメリカに移住、亡命ドイツ知識人と連帯するとともに、ドイツ国内に留まった知識人とも交渉を保ちながら、反ナチスの論陣をはった。
  アメリカ市民権を取得、第二次大戦ではアメリカ軍兵士として従軍している。1949年にカンヌで自ら命を絶った。
  代表作に『悲愴交響曲』(1935)や『メフィスト─ある出世物語』(1936)などがある。


前川  玲子(まえかわ・れいこ)
  立教大学文学部卒業、米国ケース・ウェスタン・リザーブ大学院(アメリカ研究科)博士課程修了(Ph.D 取得)。
  2017年まで京都大学大学院人間・環境学研究科教授を務め、同年定年退職。京都大学名誉教授。
  専門はアメリカ思想史。特に1920年代〜50年代のニューヨーク知識人、亡命知識人について研究。
  著書に『アメリカ知識人とラディカル・ビジョンの崩壊』(京都大学学術出版会,2003)、『亡命知識人たちのアメリカ』(世界思想社,2014)、また編著書にCrossing Cultural Boundaries in East Asia and Beyond (Brill, 2021)などがある。



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