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イタリアの文化と日本
日本におけるイタリア学の歴史
ジョヴァンニ・デサンティス、土肥秀行 編
2023年2月28日
定価:2,200円+税
A5判・ハードカバー・344ページ
ISBN:978-4-87984-436-1
在庫ございます

内容紹介

  日本の近代化において、英・独・仏ら強国への視線とは異なるまなざしで参照されてきたイタリア。その文化はどのように導き入れられ、解釈され、浸透してきたのか。
  文学、思想から美術、音楽、映画や演劇まで、各分野における受容と展開のさまを歴史的に考察し、見出された知の体系を、これからも営まれ続けるイタリア学の将来に手渡す。


※本書は松籟社とイタリア文化会館・大阪の共同出版として刊行されました。


【主要目次】
序    (ジョヴァンニ・デサンティス)

第一部    文学
第一章    ダンテからルネサンスまで─人文学と翻訳の使命  (原基晶)
第二章    啓蒙主義とロマン派  (霜田洋祐)
第三章    ファシズム期と戦後  (菊池正和)
第四章    女性の言葉による世界  (山ア彩)

第二部    思想
第五章    中世から初期人文主義まで  (星野倫)
第六章    ルネサンスと近世  (フランチェスコ・カンパニョーラ)
第七章    新観念論から現代思想まで  (國司航佑)
第三部    芸術
第八章    美術─美術史教育と美術史研究、コレクション、展覧会  (石井元章)
第九章    音楽─イタリア音楽の二つの顔、音の学と楽  (森田学)
第一〇章    映画─イタリアン・スペクタクルの衝撃  (石田聖子)
第一一章    演劇─ピランデッロからフォーまで  近代演劇の革新者たち  (高田和文)

イタリア文化の本質性―あとがきにかえて  (土肥秀行)


編者・著者紹介

ジョヴァンニ・デサンティス(Giovanni Desantis)  ※編者
  イタリア文化会館・大阪代表者。これまで上智大学講師をはじめ、在ニューヨーク伊大使館と在モスクワ伊領事館の文化担当官を務める。イタリア外務省の本省においては、海外大学との国際事業に従事。
  専門は中世史、ビザンチン文化論、初期キリスト教研究、ルネサンス思想史など。
  主要著作に、古典の伊語校訂版(I Popoli dell’India e i Brahmani di Pseudo-Palladio, L’Eranistes di Teodoreto di Cirro)、ピコ・デッラ・ミランドラ論、聖フランシスコ伝がある。『新カトリック大事典』(研究社、一九九六─二〇〇九年)収録の一三一項目を担当。


土肥秀行(どい・ひでゆき)  ※編者
  東京大学大学院人文社会系研究科准教授。南欧語南欧文学研究室でイタリア文学を講じる。
  専門は現代のイタリア文学、また日欧の前衛芸術(特に未来派の宣言文)。
  主要著作に、Interlinee: studi comparati e oltre (Cesati, 2021)(『インターライン─比較文化その他』)、L’esperienza friulana di Pasolini. Cinque studi (Cesati, 2011)(『パゾリーニのフリウリ体験』)、『教養のイタリア近現代史』(共編著、ミネルヴァ書房、二〇一七 年)がある。


石井元章(いしい・もとあき)
  東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻美術史学専門分野博士課程修了、ピサ高等師範学校大学院文哲学コース博士課程修了(文学博士)大阪芸術大学教授。
  専攻はルネサンス・イタリア美術史、近代日伊交流史、日本近代美術史。
  主な業績に、『ヴェネツィアと日本 − 美術をめぐる交流』(ブリュッケ、一九九九年)、『ルネサンスの彫刻  十五・十六世紀のイタリア』(ブリュッケ、二〇〇一年)、Venezia e il Giappone - Studi sugli scambi culturali nella seconda meta dell’Ottocento (Istituto Nazionale di Archeologia e Storia dell’Arte, Roma, 2004)、『明治期のイタリア留学  文化受容と語学習得』(吉川弘文館、二〇一七年)、「ポンポニオ・ガウリコ  青銅の鋳造術について(第一章)」(池上俊一監修『原典イタリア・ルネサンス芸術論』名古屋大学出版会、二〇二一年、上巻、三六七─三八八頁)、『近代彫刻の先駆者?長沼守敬─史料と研究』(中央公論美術出版社、二〇二二年)などがある。


石田聖子(いしだ・せいこ)
  東京外国語大学大学院博士後期課程修了、ボローニャ大学大学院博士後期課程修了。博士(学術、映画演劇学)。名古屋外国語大学世界教養学部准教授。
  専攻はイタリア文学と映画。特に現代イタリアにおける文学と映画の関係についてメディア論やモダニティなど多角的な観点から考察している。
  主な業績に『世界は映画でできている』(編著、名古屋外国語大学出版会、二〇二一年)、「ピノッキオの身体をめぐって─〈ピノッキアーテ〉と視覚文化」(『イタリア学会誌』第六九号)、訳書にエンニオ・モリコーネ他『あの音を求めて─モリコーネ、音楽・映画・人生を語る』(共訳、フィルムアート社、二〇二二年)、ステファノ・ベンニ『海底バール』(河出書房新社、二〇一三年)などがある。


フランチェスコ・カンパニョーラ(Francesco Campagnola)
  パリ高等師範学校(EPHE)とソルボンヌ・パリ第4大学で近代思想史の博士号を、ストラスブール大学でHDR(Habilitation a diriger des reserches=フランスにおける最高学位)を取得。これまで、マリー・キュリー財団、日本学術振興会、国際交流基金、フルブライト、FWOやFCTなどのフェローシップや研究費補助金を受けてきた。リスボン大学主任研究員(准教授に相当)。
  専攻はイングランドとアイルランドにおける十八世紀の哲学。近代日本におけるルネサンスの表象に関する著作の出版を間近に控える。
  論文が掲載された諸誌は以下のとおり。Modern Intellectual History, History of European Ideas, Global Intellectual History, Intellectual History Review, Belfagor,『現代思想』など。


菊池正和(きくち・まさかず)
  京都大学大学院文学研究科博士後期課程、研究指導認定退学。修士(文学)。大阪大学大学院人文学研究科教授。
  専攻はイタリア近現代文学。一九世紀後半から二〇世紀前半にかけてのイタリア演劇、特に、ルイジ・ピランデッロやフィリッポ・トンマーゾ・マリネッティの劇作法の前衛性を考察している。
  著書に、『世界の言語シリーズ13 イタリア語』(大阪大学出版会、二〇一九年)、『あなただけのイタリア語家庭教師』(Clover出版、二〇一八年)などが、主要論文に「『劇中劇三部作』における即興演出と叙述テクストの関係性について」(『言語文化研究』第四〇号、大阪大学言語文化研究科)、「ピランデッロとシチリア─『老人たちと若者たち』における歴史への懐疑と生成への希望」(『日伊文化研究』第五九号)、「マリネッティにおける機械化された身体」(『言語文化研究』第四八号、大阪大学言語文化研究科)などがある。


國司航佑(くにし・こうすけ)
  京都大学大学院イタリア語学イタリア文学専修博士課程修了。博士(文学)。京都外国語大学准教授。
  専攻はヨーロッパ思想、ヨーロッパ文学。特に、一九世紀の詩人・哲学者ジャコモ・レオパルディおよび二〇世紀の思想家ベネデット・クローチェを中心に、文学、哲学、歴史などの人文諸科学を学際的に研究している。
  主な業績に、Note sulla storia della ricezione dell’estetica di Benedetto Croce in Giappone(≪Filosofia italiana≫, 17 (2022), 1)、ジャコモ・レオパルディ『断想集』(翻訳・解題、幻戯書房、二〇二〇年)、『詩の哲学─ベネデット・クローチェとイタリア頽廃主義』(京都大学学術出版会、二〇一六年)などがある。


霜田洋祐(しもだ・ようすけ)
  京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。大阪大学大学院人文学研究科講師。
  専攻はイタリア近代文学。特にアレッサンドロ・マンゾーニ『婚約者』をはじめとする近代小説を、語りの手法やリアリズムの観点から研究している。
  主な業績に、『歴史小説のレトリック─マンゾーニの〈語り〉』(京都大学学術出版会、二〇一八年)、「疫病と集団的妄想─マンゾーニ『婚約者』に記されたペスト蔓延の要因について」(『日伊文化研究』第六〇号)、「フランドルの画家マンゾーニ─『婚約者』と一七世紀絵画のリアリズム」(『イタリア学会誌』第六〇号)などがある。


高田和文(たかだ・かずふみ)
  東京外国語大学大学院外国語研究科修了。静岡文化芸術大学名誉教授。元ローマ日本文化会館館長。
  専攻はイタリア演劇、イタリア語、比較演劇。特に、ノーベル賞劇作家ダリオ・フォーの研究、翻訳。狂言とコンメディア・デッラルテの比較研究。
  主な著書に、『NHKスタンダード40イタリア語』(日本放送出版協会、二〇〇〇年)、『話すためのイタリア語』(白水社、一九九七年)、『イタリアの味わい方』(共著、総合法令出版、一九九六年)。訳書・翻訳に、アンドレア・ボチェッリ『沈黙の音楽』(早川書房、二〇〇一年)、ウーゴ・ロンファーニ『ストレーレルは語る』(早川書房、一九九八年)、カルロ・ゴルドーニ『ミランドリーナ・宿の女主人』(劇団櫻花舎上演台本、一九九七年)、ダリオ・フォー『払えないの?  払わないのよ!』(劇団民藝上演台本、一九八五年)などがある。


原基晶(はら・もとあき)
  博士(学術)。東海大学文化社会学部准教授。
  専門はイタリア文学・中世ルネサンス文化。
  主な業績として、ダンテ・アリギエリ『神曲 地獄篇』『神曲 煉獄篇』『神曲 天国篇』の翻訳(講談社、二〇一四年)、『ダンテ論』(青土社、二〇二一年)、『チェーザレ 破壊の創造者』一―一三巻(監修、講談社、二〇〇六―二〇二二年)がある。


星野倫(ほしの・ひとし)
  京都大学大学院文学研究科・イタリア語学イタリア文学専修・博士後期課程修了。博士(文学)。ダンテ研究者。
  専攻は、ダンテの哲学的研究。特に、『帝政論』と『神曲』〈天国篇〉の関係、『饗宴』におけるアリストテレスおよびキケローの受容を中心に調査を進めてきた。
  主な業績に、「ダンテ『帝政論』研究序説─成立年代決定問題をめぐって─」(『早稲田大学イタリア研究所研究紀要』第五号)、「ダンテにおける《太陽と月の比喩》」(『地中海学研究』第四〇号)、「ダンテと三段論法」(『中世思想研究』第五九号)、「ダンテにおける可能知性 intellectus possibilis の問題」(『イタリア学会誌』第六七号)、「天国と政治─日本におけるダンテ受容の一側面─」(『日伊文化研究』第五六号)などがある。


森田学(もりた・まなぶ)
  昭和音楽大学特任准教授。サントリーホール オペラ・アカデミー講師。
  専攻は声楽(実践)および音楽学(音楽作劇法)、特にオペラを含む声楽曲の作られ方と演奏表現の関わりを理論と実践を通して研究している。
  主な業績に、『オペラ辞典』監修(東京堂出版、二〇一三年)、『イタリアのオペラと歌曲を知る一二章』編著(東京堂出版、二〇〇九年)、『音楽用語のイタリア語』(三修社、二〇一一年[改訂版])、『イタリア語のルール』(白水社、二〇一八年)、『トスティ ある人生の歌』翻訳(東京堂出版、二〇一〇年)、論文「コンメーディア・リーリカ『つばめ』の台本解釈」(『イタリア学会誌』第六〇号)などがある。


山ア彩(やまさき・あや)
  東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。東京大学大学院総合文化研究科准教授。
  専攻はイタリア文学。イタリアの「飛び地」トリエステで一九世紀末から二〇世紀にかけて書かれたイタリア語文学に注目して、多民族・多文化の都市という複層的な現実から生まれる文学のありかたを考察している。歴史の証言者としての文学にも関心がある。
  訳書にF・マライーニ『随筆日本─イタリア人の見た昭和の日本』(共訳、松籟社、二〇〇九年)、M・ムッツァレッリ『イタリア・モード小史』(共訳、知泉書館、二〇一四年)、U・エーコ『ウンベルト・エーコのテレビ論集成』(共訳、河出書房新社、二〇二一年)などがある。



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