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想像された「北方」
象徴主義におけるベルギーの地詩学を巡って
三田順 著
2018年2月28日
定価:6,000円+税
A5判・ハードカバー・440ページ+図版48ページ
ISBN:978-4-87984-361-6
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内容紹介

  国土をおおよそ等分する二つの言語圏のあいだで、国家分裂の危機が常に語られる国、ベルギー。この国の文化の複雑なアイデンティティを、象徴主義、「北方」性、アンティミスムといったキーワードから探る。フランス語、オランダ語、ドイツ語の三つの語圏を視野に入れるとともに、文学(言語芸術)と絵画(視覚芸術)を分野横断的に論じ、ベルギー文化の核にせまる。


本書の主要目次

序章 本書の意図と目的

第一部 世紀転換期ベルギーと象徴主義
  第一章 象徴主義の誕生
  第二章 ベルギーにおける象徴主義の系譜
  第三章 ベルギー象徴主義絵画における「理想主義」と保守性

第二部 ベルギーにおける象徴主義と「アンティミスム」
  第四章 ベルギー象徴主義絵画における「アンティミスム」─グザヴィエ・メルリの素描作品群「ものの魂」─
  第五章 「アンティミスム」と風景画─ウィリアム・ドグーヴ・ド・ナンクの象徴主義的風景画の考察─
  第六章 ベルギー象徴主義文学における「アンティミスム」─モーリス・マーテルランク『Interieur』(一八九四)における「interieur」の所在─

第三部 ベルギーにおける象徴主義と「北方性」
  第七章 ジョルジュ・ローデンバックと「北方性」─『組鐘奏者』に見るゲルマンとラテンの相克と「北方神話」の両義性─
  第八章 「北方」の象徴主義絵画─ヴィルヘルム・ハマスホイとグザヴィエ・メルリの比較研究─
  第九章 ベルギー象徴主義における文学と美術の照応─ジョルジュ・ローデンバックとグザヴィエ・メルリの比較研究─

第四部 ベルギー・オランダ語圏における象徴主義
  第十章 ベルギー・オランダ語文学における象徴主義受容─カーレル・ヴァン・デ・ウーステイネのベルギー象徴派批判を巡って─
  第十一章 カーレル・ヴァン・デ・ウーステイネと「ヴラーンデレン性」─モーリス・マーテルランクの影響を手掛かりとして─
  第十二章 ヴラーンデレン象徴主義絵画における同時代性─ヴァレーリユス・デ・サーデレールの象徴主義的風景画を巡って─

第五部 ワロニーにおける象徴主義
  第十三章 ワロニーにおける象徴主義受容と「北方的」象徴主義美学の形成─エクトール・シェネー『ものの魂』を手掛かりとして─
  第十四章 ワロニーにおける「アンティミスム」絵画─ヴェルヴィエ派と「北方的」象徴主義絵画─

結部 「北方」の想像力
  第十五章 ベルギー・ドイツ語圏における象徴主義─境界の作家ポール・ジェラルディーと「ものの魂」─
  終章 ベルギーにおける「現実的幻想」の系譜─文学と絵画における「ベルギー的」想像力の源泉を求めて─


著者紹介

三田順(ミタ ジュン)
  北里大学一般教育部講師。
  専攻は比較文学(ベルギーにおける象徴主義文学、美術)。博士(学術、一橋大学)。
  著書に『ベルギーを〈視る〉 テクスト―視覚―聴覚』(編著、松籟社、二〇一六年)、『ベルギーとは何か─アイデンティティの多層性─』(共著、松籟社、二〇一三年)がある。
  訳書に『幻想の坩堝─ベルギー・フランス語幻想短編集』(共編、松籟社、二〇一六年)、『フランダースの声』(共訳、松籟社、二〇一三年)がある。


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関連書

『ベルギーを〈視る〉』
『幻想の坩堝』
『ベルギーとは何か』